【 商品・サービス・団体の特徴及びコンセプト 】
1980年、「無印良品」は「わけあって、安い。」をキャッチコピーに、従来の商品の規格からすると少し外れてしまうような商品の企画からスタートしました。「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」の3つの視点を守りながら、実質本位の商品をつくり続け、約7,000品目の商品を展開するブランドへ成長し、2020年12月現在、32の国・地域で無印良品(MUJI)、Café&Meal MUJI、IDEEを展開しています。さらに、人や社会の「役に立つ」という大戦略のもと、小売業という概念を超え、住宅、ホテル、自動運転バスへのデザイン提供など活動の範囲を広げています。
【 ネーミングの由来 】
無印良品とは「しるしの無い良い品」という意味です。
モノが充足した後の消費社会では、過度な商業主義の中で、モノの価値が一人歩きし、本来の価値を見失うような状況に陥りがちです。「無印良品」はそんな消費社会へのアンチテーゼを内側に含むものとして「無印」という立場に「良品」という価値観をつけ、1980年に西友のプライベートブランドとして誕生しました。これは地球規模での消費の未来を見通すモノづくりの態度であり、日本古来の「素」を旨とする美意識、つまり簡素であることは単に質素ではなく、時に豪華を凌駕する魅力を持つと考える思想につながります。
【 受賞コメント 】
この度は、輝かしい賞を頂戴し大変光栄に思っております。今回は「MUJI」という日本以外の国で使用しているブランド名称も評価されたと伺いました。MUJIは「無印良品」の最初の二文字ですが、1991年に海外初となるロンドン1号店をオープンする際、英語圏の方にとっては「むじるしりょうひん」という発音が難しかったことから、現地の関係者が略称として使っていた「MUJI」を正式にブランド名とした経緯があると聞いています。「無地」とも聞こえるこの名前は、たったのアルファベット4文字の短さながら、”印をつけない”という本来の意味にもつながる含蓄を持っています。今後もこの「MUJI」そして「無印良品」が、親しみのある身近なブランドとして、世界中のたくさんの方々の暮らしに寄り添い、役に立つ商品・サービスを提供していくための羅針盤であり続けると期待しています。