【 選考理由 】
「かりゆし」におかれましては、最終審査会において「地域に根ざして愛されている」「全国的にも認知されているのは、企業努力の賜物」「殿堂入りレベルのネーミング」「なんとも言えない優しい響きでめでたい」「沖縄を代表するアパレルで誰もが知っている」など沢山の好評コメントがありました。また一般名称のように浸透しているにも関わらず、ちゃんと商標登録され、管理されていた点も支持・評価された理由となりました。日本ネーミング協会は「ネーミングはマーケティングの成功に寄与するだけでなく、生活文化や地域社会を活性化させる力がある」と考えます。その意味においても「かりゆし」は沖縄県の心を体現した沖縄らしさ溢れるネーミングであり、改めて「ネーミングの魅力」を広く社会に発信できるものとして2022年に賞賛すべきネーミングと評されました。
【 商品・サービス・団体の特徴及びコンセプト 】
~「沖縄を感じられる服」を作りたい~沖縄がまだ米国統治下にあった1968年に米国民政府派遣により観光視察でハワイを訪れた沖縄県の一行は、公式な場でもアロハシャツを着ていることに感銘を受け、着るだけで沖縄を感じられる服を作りたいとの思いで発案され「沖縄独自の服で観光地・沖縄らしさを演出しよう」と、主に観光業界を中心に普及したことが「かりゆしウェア」の原点です。
「かりゆしウェア」の定義は、①沖縄県産品であること、②沖縄らしさを表現したもの、であり、沖縄の伝統工芸品である染織物や豊かな自然に育まれた動植物のほか、沖縄の風景がデザインされ、「かりゆし®ウェア」の下げ札により沖縄県産品であることを証明しています。
【 ネーミングの由来 】
「かりゆし」は、沖縄の方言で、めでたいこと、縁起の良いこと、という意味を表します。沖縄独自の服というコンセプトで作成された服は、当初は統一された名称は無く、「沖縄シャツ」や「トロピカルウェア」といった名称で販売されていましたが、1990年に県民による一般公募により、①万人の幸福を願う県民の心を表現、②沖縄の気候や風土、文化をイメージするもの、③めでたい縁起の良いネーミング、という理由で101通の応募の中から「かりゆしウェア」が選定されました。
【 受賞コメント 】
「かりゆし®ウェア」が栄えある地域ソウルブランド賞を頂戴し、心から光栄に思います。1990年に県民の公募により統一名称となった「かりゆし®ウェア」は、翌年の九州・沖縄サミットにて各国の首相に着て頂いたことで一気にその知名度が向上しました。その後も県内行政、産業界一体となって夏場のオフィスのドレスコードに「かりゆし®ウェア」を認めて頂いた事や観光業界の後押しにより、着るだけで沖縄を感じる服として多くの皆様に親しまれています。
現在ではオフィスのみならず様々なリゾートシーンでご好評を頂いており、沖縄の美しい自然や伝統工芸品を用いた独自のデザインで毎年多くの新作を製作しています。「かりゆし®ウェア」に袖を通す度に沖縄の風を感じ、明るく豊かな気持ちを感じて頂ければ光栄です。これからも皆様に愛される沖縄発のファッションとしてより良いものづくりに努めてまいります。
【 ネーミングを作った人の名前・チーム名など 】
1990年に県民公募101通の中から「かりゆし」が選定されました