日本ネーミング大賞

ほぼカニ

ほぼカニ

カネテツデリカフーズ株式会社

【 選考理由 】

「ほぼカニ」におかれましては、最終審査会において「誰もが分かりやすい」「ユニークで、え!?と思わせる力がある」「商品コンセプトを優しく面白くアピールできている」「端的で強く、ずっと気になっていたネーミング」「※カニではありませんのコピーもしゃれていて良い」など沢山の好評コメントがありました。また時代のテーマであるSDGs(14.海洋資源を守る)を先取りした商品哲学(なかなか獲れないカニではなく鱈を使用する)をわかりやすい言葉で伝えていることも支持・評価された理由となりました。日本ネーミング協会は、「ネーミングは、マーケティングの成功に寄与するだけでなく、世の中を楽しく、明るくする力がある」と考えます。その意味においても「ほぼカニ」はコロナ禍で内食が増えた家庭の食卓を楽しく明るくしてくれるネーミングであり、改めて「ネーミングの重要性」を広く社会に発信できるものとして2022年に賞賛すべきネーミングと評されました。

【 商品・サービス・団体の特徴及びコンセプト 】

「世界一ズワイガニに近いカニ風味かまぼこ」をコンセプトに開発。開発時、カニ等の魚介類の価格はすでに高騰傾向にあり、普段の食事でカニが手に届きにくい存在になりつつありました。これまでにないような圧倒的にカニに近いカニ風味かまぼこが開発できれば、お客様の役に立てるのではないかと考えたのがきっかけです。カニの味を再現するために、本物のカニ(ズワイガニ)のアミノ酸分析を行い、味の研究を行い100回近く試作を重ね、本物のカニの味を再現しました。また食感も本物のカニの繊維の向きやほぐれ感を徹底的に研究し、従来のカニ風味かまぼこと異なる、本物に近い食感を再現しました。

【 ネーミングの由来 】

①開発テーマ「世界一ズワイガニに近いカニ風味かまぼこ」をシンプルかつ分かりやすく伝えられること
②「真面目にふざける」カネテツらしい遊び心とインパクトを大切に、本物ではないが、限りなく本物に近いという意味と言葉にしたくなる語感のかわいらしさから「ほぼカニ」と名付けました。消費者に本物のカニと誤認されないよう、「※カニではありません」というコピーと対で記載することとしました。

【 受賞コメント 】

この度は、栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。
この「ほぼカニ」ですが、今までのカニかまぼこでは不可能であった繊維の細さや食感にこだわり、極限までカニに近づけました。
世に出すにあたり、この品質にふさわしい、想いが世に届くネーミングの開発を目指しました。そしていくつかの候補を見て一瞬で決めたのが「ほぼカニ」でした。品質感を言い当てながら、弊社らしいアホっぽさもある。慎重な意見もありましたが、思いっきりバットを振ろうと、ほぼ強引に、ほぼカニに決めたのでした。
おかげさまで名前は浸透し、発売当時と比較して販売数は約5倍まで成長してくれました。
ほぼカニの経験から、私にとってネーミングとは、モノを売るための記号ではなく、お客様の心をちょっと揺さぶり、その瞬間に少しの幸せをお届けできる、それが私の理想とするネーミングなのかな、と思っております。

【 ネーミングを作った人の名前・チーム名など 】

「ほぼカニ」は「世界一ズワイガニに近いカニ風味かまぼこ」を作ろうという社内の一大プロジェクトの中から生まれました。「限りなく本物に近い」を表現するネーミングアイデアの中から社長(現会長)の村上が「これだ」と選んだのが「ほぼカニ」でした。

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