【 選考理由 】
「鉄印帳」におかれましては、最終審査会において「遊び心がある嬉しいネーミング」「第3セクター鉄道の経営事情も背景にあり、優れた企画コンセプト」「鉄道ファンの収集意欲と”御朱印帳”を結びつけた点が優れている」「旅の楽しさと、集めることの喜び、世代関係なく誰でも手に取れるアイデアがいい」など沢山の好評コメントがありました。また実際の消費行動(鉄道の旅をしてまわる)にも結びついている点も支持・評価された理由となりました。日本ネーミング協会は「ネーミングは事業に貢献することはもとより、世の中を楽しく、元気づける力がある」と考えます。その意味でも「鉄印帳」は鉄道旅を新しい形で楽しくする力があり、2022年に賞賛すべきネーミングと評されました。
【 商品・サービス・団体の特徴及びコンセプト 】
コンセプトは“地方鉄道をつなぐ、元気にする”で、一言で表すと「御朱印帳の鉄道版」です。寺社の御朱印帳と同じ蛇腹折りで、鉄印と言われる各鉄道会社のオリジナル印を集めることができます。
第三セクター鉄道等協議会に加盟する全国40の鉄道会社が対象で、指定の窓口で鉄印帳と乗車券を提示し、記帳料(300円~)を払うと鉄印がもらえます。
もともと人口減で苦しい経営が続く地方鉄道が、コロナ禍でさらに厳しさが増す中、鉄印帳が新たな収入源の一つとなっており、運賃収入や売店等の売上増にも寄与しています。
【 ネーミングの由来 】
第三セクター鉄道等協議会に加盟しているくま川鉄道(熊本県)の永江友二社長が、家族と御朱印帳が流行っているという会話をした時に、「御朱印帳のように全国の駅を回ってもらえば、旅の思い出になる」とひらめき、その時浮かんだネーミングが「鉄印帳」でした。
【 受賞コメント 】
この度の受賞を発案者として大変嬉しく思います。地方鉄道の存続を考えている中、ふと思いついたことを形にしたことで社会現象まで発展し、経済効果をもたらし、このような名誉ある賞を頂けたことを誇りに思います。第三セクター鉄道等協議会の会員各社をはじめ、鉄印帳を通じて地方鉄道および沿線地域の活性化に取り組む㈱日本旅行、㈱読売旅行、㈱旅行読売出版社と協力して、鉄道旅の魅力を今後も発信していけたらと思います。(くま川鉄道株式会社 取締役社長 永江友二)
【 ネーミングを作った人の名前・チーム名など 】
くま川鉄道株式会社 取締役社長 永江友二