【 選考理由 】
「闇落ちとまと」におかれましては、最終審査会において「ネガティブな言葉なのにエコロジー意識に見事にフィットし強い力を持った」「ネガをポジに転換する素晴らしいネーミング」「闇落ち＝卑屈さに対し甘くて美味しいという裏返しが絶妙」「プロだと絶対に出せない凄いネーミング」など沢山の好評コメントがありました。またフードロスといった時代のテーマにも貢献できる商品企画やストーリー性も支持・評価された理由となりました。日本ネーミング協会は「ネーミングは商品マーケティングに寄与すると共に時代を反映して誕生し生活文化を創っていくもの」と考えます。その意味でも「闇落ちとまと」は改めて「ネーミングの力」を広く社会に発信できるものとして2022年に賞賛すべきネーミングと評されました。
【 商品・サービス・団体の特徴及びコンセプト 】
トマトは甘いものを作るために水分を制限すると必ず出てしまう「尻腐れ（しりぐされ）」という障害がある。糖度が高いにもかかわらず見た目が悪いというだけで、ほとんどが廃棄されたり、自家消費用やお裾分け用にされてきた。この状況を打破するため曽我農園では「闇落ちとまと」とネーミングし販売を開始した。売上げの向上はもちろん廃棄品を「闇落ちとまと」という新たな規格に転換させ高付加価値化とフードロス削減を狙った。
【 ネーミングの由来 】
「尻腐れトマト」は見た目が悪いだけで、黒い部分を削れば食べることができる。時期・モノによっては正規品をしのぐ甘さがある。しかし見た目が恐ろしいため、生産段階で捨てられることがほとんどだった。この境遇は「類い希なる資質を持ちながら、不幸な境遇が重なってダース・ベイダーになってしまったアナキン・スカイウォーカー」に似ていて可哀想だと思ったのが「闇落ちとまと」のネーミングの由来。
※「闇落ち」とは「善人・味方側だった人物が悪人・敵側（ダークサイド）へ落ちること」を意味する。漫画やアニメなどサブカル界隈で使われる言葉。
【 受賞コメント 】
ネーミング大賞2022ルーキー部門優秀賞をいただけたことは光栄でとても誇りに思います。コロナ禍での厳しい経営状況を打開するために付けたネーミングでしたが、多くの方の支持により認知していただくことができました。これを機会に当農園だけでなく、食品ロスや流通、日本農業の現状、ひいては世界の食糧情勢などに興味を持っていただくきっかけになればと思います。
【 ネーミングを作った人の名前・チーム名など 】
(株)曽我農園