【 選考理由 】
「雲を食べたいという子どもの頃の夢を叶えてくれそうで購買意欲をかきたてられる」「まるで詩のようで、新しい季語になりそう」「口どけの良さを表す時は、雪を使いがちだが、入道雲にしたのが興味を喚起させる」「味わいや食感に対する想像・期待が膨らむ」など、沢山の好評コメントがありました。またこのネーミングが持つスケール感、ファンタジー感といった情緒的価値も支持・評価された大きな理由となりました。
日本ネーミング協会は「ネーミングは商品の売上げに貢献することはもとより、より豊かなブランド体験を届ける力がある」と考えます。その意味において「冬の入道雲」は情景や物語性を感じる魅力的なネーミングとして賞賛すべきと評されました。
【 商品・サービス・団体の特徴及びコンセプト 】
生乳100%・無糖。独自の乳酸菌設計で、「雲を口にしたような、ふわふわ新食感」を実現したヨーグルトです。従来の酸味が強く固い──というヨーグルトの既成概念を刷新し、やさしい口溶けとミルクの自然な甘みで主役になれるプレーン。外装は絵本調の三面イラスト、外蓋の下には内蓋のあらすじ。手に取る→読む→味わうまでを一続きの体験としてデザインしました。無糖でも満足できるおいしさと国産生乳の価値をダイレクトに伝達。さらに、生乳の安定的な消費拡大=酪農家の継続に貢献することを目指しました。
【 ネーミングの由来 】
白く軽い口溶け=入道雲という直喩に、あえて「冬の」を冠して清澄さと意外性を付与。冬空に浮かぶ雲のような静かな軽やかさを言葉で先取りし、「どんな食感だろう?」という好奇心を喚起します。食べた後の感想「本当に雲みたい」「口で溶ける」が自然に続出するよう、ネーミングが体験の予告編になることを狙いました。物語シリーズによって売り場が絵本棚のように華やかになるだけでなく、SNSで映える詩的な語感を重視。機能や数値だけでなく、食感と情景の連想で選ばれる新しい基準を目指したタイトルです。
【 受賞コメント 】
この度は、ネーミングアワードのルーキー賞という素晴らしい賞をいただき、本当にありがとうございます。私たち古谷乳業は、これまでずっと「生乳」の美味しさを何よりも大切に考えて、商品作りをしてきました。なので、今回のヨーグルトも、その生乳の美味しさがしっかりと届くような名前にしたい、と考えていたんです。そこでできたネーミングが『冬の入道雲』という名前でした。この名前を聞いた瞬間、「まるで雲を食べているような食感」というイメージがパッと頭に浮かびました。実はそこから、元々の商品コンセプト自体をガラッと変えることにしたんです。 目指したのは、名前の通り、本当に雲を食べているような食感と、生乳の美味しさが両立する商品です。そうして開発を進めて、ふわっとした雲のような柔らかい食感の中に、ミルクの甘さがぎゅっと詰まった、他ではなかなか味わえないヨーグルトが完成しました。ネーミングが商品作りそのものを変え、新しいコンセプトを連れてきてくれる。名前にはそんな力があるんだなと、今回の開発を通じて改めて感じました。
【 ネーミングを作った人の名前・チーム名など 】
コピーライター:面白法人カヤック 合田ピエール陽太郎
アートディレクター:原元光章プロデューサー:田路真也
PRディレクター:梶陽子
統括プロデューサー:金谷敏

